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2010-09-17

技術さん心を揺さぶられる

さて、さん喬師匠。

喬太郎師匠のテレビ番組で拝見して以来
生の高座でお会いできる日を待っておりました。

そんな願いがかなった先日の親子会。

穏やかで品のあるさん喬師匠の語り口は、
耳に心に本当に心地よく響いてきます。

「ワタシャ古典しかできませんから」

マクラでの言葉に噺家としての矜持を漂わせつつ
穏やかな中にもメリハリの利いた話芸で
大爆笑させていただいた一席目の「天狗裁き」


そして2席目の「八五郎出世」。


主人公の八五郎が大名屋敷に入ったとたんに、
これまでの落語会では気がつくことがなかった、
不思議な感覚にとらわれたのでした。

青い空の下。

玉砂利が敷き詰められた広い庭。
そしてその向こうにある立派なお屋敷。
そんな風景がありありと浮かんでくるのです。

それまでの狭い長屋の場面の描写から、
一転して現れた空間。その解放感。

自分が噺の中の空気にいるような。

さん喬師匠の丁寧で繊細な語りや、
自分のような生落語初心者にはわからない、
ちょっとした間の取り方などの要素が重なって、
この不思議な感覚を生んでいるに違いありません。


登場人物の演じ方も魅力的でした。

大名の世継ぎを生んだ妹に会いに行くことを、
最初は面倒臭そうに渋っていた八五郎。

大家さんから立派な紋付を着せてもらい、
母親にその姿を誇らしげに見せに行く可愛らしさ。

武家の言葉の使い方がわからないことでおこるすれ違いに
苛々することもなく、素直に笑えるのも話芸のなせる業。

ラスト近く妹との対面で見せる涙の都都逸に至ると、
もう八五郎という人間に完全に感情移入してしまい、
大きな感動が胸の奥まで染み渡ったのでした。


素晴らしかったです。


マクラで「まだ何を話すのを決めてませんが」といいつつ
この噺をセレクトしたのは、直前の喬太郎師匠の演目が、
スラップスティックな「綿医者」だったからでしょうかね。


ともあれ


大御所をお迎えすることになって主催者の皆様は
さぞやお気遣いが大変だった事と存じますが、
「もうたくさん」なんていわずに近い将来に、
また、このような親子会を企画していただきたいと、
切に願うものであります。
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すえひろがりの会

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愛知県瀬戸市の「せと末広商店街」にある小さな寄席「せと末広亭」で年に4回寄席を開催しています。ぜひお気軽にどうぞ!
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第37回平成30年 5月26日(土)
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第40回平成31年 3月 9日(土)
午後2時開演 木戸銭500円

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