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2011-05-19

考察(かんがえてみよう)

今日もまた川の家河太朗さんの話題。

2月の第8回せと末広寄席で河太朗さんは
「鹿政談」という噺を披露してくださいました。

奈良で「神獣」として手厚く保護されていた鹿を
誤って殺めてしまった正直者の豆腐屋さんを、
名奉行が見事な裁きで救うという気持ちのよい噺。


この噺を聞きながらふと感じた疑問。


一度は豆腐屋が殺めた動物は「実は犬」だったよね」と、
みんなで口裏を合わせることで落着するかに見えたお裁きに、
鹿の守役を務める役人の男が現れて意を唱えます。

「どう見てもこれは鹿でございます」

するとお奉行様は鹿の餌料を着服している者の罪も
ここで裁かねばならぬと一喝された守役が観念して、
ようやく豆腐屋は放免となり、ハッピーエンド。

しかし、なぜ奉行様は守役の横領を知りながら、
これをずっと見逃してきたのでしょう。


で、その理由を自分なりに考えてみました。


まずは、神獣とはいいながら、たかが鹿の守りに
何千両もの大金がつぎ込まれていることに
お奉行様は快く思っていなかったのではないでしょうか。

それに加えてもう一つの理由として、
せっかくいただいたお役目がケモノの世話という、
守役の男の境遇へのお奉行様の同情の念。

「年のせいか鹿と犬を見間違えた」という
セリフがありましたから結構なオジサマなのでしょう。

年を重ねてなお、くだらない命令によるつまらない仕事。
ならば、多少のことには目をつぶってやろう。

だからこそ、横領の事実が皆に明らかになった後も、
男の罪を問おうとされなかったのではないでしょうか。
う~む、お奉行様。なんと懐の深い…。


まあ、これが本当の正解かどうかは分かりませんが。


守役の男が十分な餌を与えなかったことが伏線となって、
腹をすかせた鹿が町に迷いだして事件発生という、
実によく練られた物語構成には感服するばかりです。

「キラズにやるぞ」「マメに帰れます」のやりとりで、
サゲもキレイにきまったステキな噺でありました。


いやあ、落語っていいものですねえ。


さて、これまでの末広寄席での河太朗さんは、
自分が知らなかった噺をしてくださることが多くて、
(この際、自分の不勉強さは棚にあげさせていただいて)
今日はどんな演目を用意してくださっているのかと
毎回とても楽しみな演者さんです。


さて、

28日の寄席ではどんなお噺が聞けるのでしょうか。
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落語の嘘

噺自体は納まりがよく「オチ」も頷けますが、時代背景から考察すると各所に矛盾が見えてきます。
あま深く考えずに噺に身を任せていただくほうがよろしいかと思います。

ありがとうございます。

そうですね。

以前からメンバーと話しているのは、
このブログでは批評家にはならないように
落語を楽しんでいきたいねという事です。
(批評できるほどの技量もありませんが)

今回は河太朗さんの噺を後日に振り返って
ふと感じた疑問がなんとなく自分の中で、
解決できたのが嬉しくて、日記に書いてしまいました。

寄席の当日は何も考えずに、
十分に楽しませていただいていたんですよ。

今回も批評家ではなくファンとして
みなさんの落語を楽しみにしています。
プロフィール

すえひろがりの会

Author:すえひろがりの会
愛知県瀬戸市の「せと末広商店街」にある小さな寄席「せと末広亭」で年に4回寄席を開催しています。ぜひお気軽にどうぞ!
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◆今後のせと末広寄席◆
第36回平成30年 3月10日(土)
第37回平成30年 5月26日(土)
第38回平成30年 8月25日(土)
第39回平成30年11月24日(土)
第40回平成31年 3月 9日(土)
午後2時開演 木戸銭500円

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