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2011-06-16

「美術さんのおしらせ文」

いまさら言うまでもないことではありますが、
落語のすごさのひとつは、同じ噺であっても、
演者によって別物になり得てしまうという事ですね。

思い起こせば、

新春寄席で権太楼師匠が披露してくださった、
濃密な情感にあふれた「芝浜」は、師匠の世界に染まった
「権太楼の芝浜」としか言いようのないものでした。

演劇や小説、音楽など表現の世界ではこうした
古典的作品の脚色や翻案ものはよくあるものですが、
落語の場合は演じる舞台は高座の上と限定される上に、
作品ごとの絶対の「お約束事」もありますから、
そこで独自の色を出すのは生半可ではなさそうです。


表現者、演者としての落語家さんには、
尊敬の念を抱かずにいられません。


それは毎回の「末広寄席」でも同じこと。


楽語の会の皆さんもそれぞれの個性や、
積み上げてきた人生経験が背景となったような、
独自の世界を描いて見せてくださいます。

「志ょ朝さんのお血脈」
「笑天さんの井戸の茶碗」
「無眠さんのかぜうどん」
「河太朗さんの一文笛」

などなど
ご出演を重ねていただくにつれて、
みなさんそれぞれのお人柄もわかってきて、
より一層、お噺を楽しめるようになってきました。



翻って、日々の自分の仕事に思いをめぐらせれば、
「技術さんの○○」と、自分の名前がそのまま
キャッチコピーになるような場面があるでしょうか。

う~ん…。

我々、事務系サラリーマンの世界では、
個性を仕事に表すのは難しいですねえ。


ところが、ウチのメンバーの中にひとり、
キャラクタ-の滲み出た仕事ぶりで知られる人がいます。


誰あろうヒゲの美術さんであります。


彼のつくる事務文書はホント、すぐにわかります。
特に催し物のお知らせ文は出色であります。
その代表的な特徴をあげてみますと、

・表題と本文の配置バランスが絶妙。
・いつも何らかのイラストが入っている。
・罫線なども妙に凝ってたりする。
・モノクロ印刷なのにカラフルに見える。
・どんな内容でもとりあえず何だか楽しそう。
・ちょっと日本語の使い方がアレ。


それが「美術さんのおしらせ文」。


ベテランの先輩社員さんたちの中には、
ちょっと馴染めないという人がいるかもしれません。
でも、美術さんは自分のスタイルを曲げることなく、
仕事で楽しげな文書をつくってもいいという、
地位を確立してしまった感があります。

そういう意味では言うならば美術さんのことは
「新作落語」の使い手に分類すべきなのかもしれません。

それができない僕らフツーの中堅社員は、
誰にでも伝わるわかり易いビジネス文書の作成を通じて、
自分の色を出すべく工夫を重ねていこうと思います。
古典落語に自らの世界観を反映させるように。

「技術さんの見積り」
「技術さんの業務報告書」
「技術さんの稟議書」
「技術さんの始末書」


いや、始末書は書きたくありませんけどね。
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すえひろがりの会

Author:すえひろがりの会
愛知県瀬戸市の「せと末広商店街」にある小さな寄席「せと末広亭」で年に4回寄席を開催しています。ぜひお気軽にどうぞ!
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第36回平成30年 3月10日(土)
第37回平成30年 5月26日(土)
第38回平成30年 8月25日(土)
第39回平成30年11月24日(土)
第40回平成31年 3月 9日(土)
午後2時開演 木戸銭500円

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